① 天地と両柱は、渋い金襴糸と豆がら茶色(まめがらちゃいろ)糸を密に織り込み、牡丹の花葉の連続紋を散りばめしこそ、むしろ文人画に対し柔らかみがあり派手さが抑えられており、まことに上品な裂地のことこの上ありません。 ② 一文字は、灰白色(かいはいしょく)地に、右と同様も明るめの渋金糸で爽やかに流れり唐草紋様です。作品に対応して時の流れを感じさせる見事な選択かと。 ③ 本紙と一文字回りには、黄金色(こがねいろ)の極細の筋廻しが施され瀟洒に輝いており、本紙上下を気持ちよく引き締めております。 ④ 軸先は唐木製で、赤墨(あかすみ)色に艶光り時代色を帯びたる文人風の貫禄がございます。
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【真作】田能村竹田「蕉陰煎茶図」画賛 肉筆 紙本 着色 掛軸 天保三年晩年作◆金襴表装 印譜比較等詳細画像有◆y621
【本作品について】
1.特別出品の本作品は、田能村竹田が1832天保三年56歳晩夏・初秋晩年に描いた、侍児に煎茶を入れさせつも暑さ凌ぎに芭蕉(バナナ)葉の下にて午睡前の思惑に耽(ふけ)る(竹田本人に擬えし)高士図です。そして淡彩画もさることながら、むろんそれに勝る「卜居墨香茶昧」の見事な賛文詩が付された逸品かと存じます。
2.なお散文末に製作年の干支表記ござらぬも、
① 百五十年祭出品の同手図柄名品「蕉陰午睡図」(=比較品)の連作品が存在し、比較品賛文末尾に記されし「壬辰」表記以って天保三年56歳晩年と知れます(掲出比較画像参照)。
② 本品と右比較品の芭蕉・人物の拡大比較画像ご覧の通り、構図、筆致、描写特徴など遜色なく一致のこと確認できます(掲出比較画像参照)。
③ また賛文内容は異なれど、両者の賛文拡大による比較も執り行い筆跡の同一性も確認致しました(掲出比較画像参照)。
④ なお比較品の冒頭を読めば「癸辛志日飽食緩行初睡覚一新茗侍児煎脱巾斜・・・」とございますから、「侍児」に煎茶を入れさせた後の昼寝に茶坊主の「侍児」は去った後の様子と知れまするから、本品は比較品の前の「侍児」に煎茶を入れさせるシーンの連作品と判る訳でございます。
⑤ 但し比較品冒頭の「癸辛」という干支は存在しませんので、おそらく前年「辛卯」と混同の誤記ではないかと思われしこと。多くの竹田研究家が居りながらかような誤記に気付いた指摘無きは、まだまだ竹田作品調査研究の終焉は迎えられぬことかと、筆者再び奮励努力中のこと。
3.印章は、白文の「竹田」と「老圃」双方印で、文化五年頃より使用の印です。本印は、阿部良山が凍石に刻んだ小さい印のため、斜め捺しや印肉被りで変化しやすいのか、印譜集により印影が微妙に異なることを知る筆者は、
①昭和57年大分県立芸術会館「田能村竹田展」図録、②吉岡班嶺編「真偽評価書画鑑定指針」、ならびに③「松本枩蔵氏所蔵竹田先生画譜」正(乾坤)続(乾坤)昭和4年恩賜京都博物館、三冊に所載の三種類の印譜集で印影比較を試みたところ、三種各印の個別特徴との一致を確認致しました(各掲出比較画像参照)。
4.また関防印は、朱文「一咲千山青」と淡黄凍石に刻んだ長方印で、文政年間末期頃より使用の印です。本印も、右①昭和57年大分県立芸術会館「田能村竹田展」図録所載印譜集との比較精査で一致を確認済みです(掲出比較画像参照)。
5.念のため落款「竹田生」の筆跡を、日本書画鑑定大事典第6巻338頁所載「田能村竹田年齢別落款筆跡資料」の56 歳前後の筆跡と比較、同時期でも書法・筆法多岐にわたる天才揮毫家竹田なれば多資料精査必須も、跳ね、留め、流し等の時期的特徴を備えしこと確認致しました(掲出比較画像参照)。
6.右2,3,4,5のとおり多角的な鑑別比較相俟り、高い蓋然性を担保し得ましたので、真作保証致します。
7.本作品の表具は、たいそう美麗な金襴表装で、といえども爽やかな渋い金襴色に筋廻しでの仕立ては、作品の風格に適う美しい仕上がりかと存じます。
① 天地と両柱は、渋い金襴糸と豆がら茶色(まめがらちゃいろ)糸を密に織り込み、牡丹の花葉の連続紋を散りばめしこそ、むしろ文人画に対し柔らかみがあり派手さが抑えられており、まことに上品な裂地のことこの上ありません。
② 一文字は、灰白色(かいはいしょく)地に、右と同様も明るめの渋金糸で爽やかに流れり唐草紋様です。作品に対応して時の流れを感じさせる見事な選択かと。
③ 本紙と一文字回りには、黄金色(こがねいろ)の極細の筋廻しが施され瀟洒に輝いており、本紙上下を気持ちよく引き締めております。
④ 軸先は唐木製で、赤墨(あかすみ)色に艶光り時代色を帯びたる文人風の貫禄がございます。
8.コンデイションは、時代品ですので微シミ、折れこそございますが、時代味と心得なりますれば、お披露目ではたいそう展覧映えの一幅でございます。
【略歴】
田能村竹田 たのむらちくでん
生年:安永6.6.10 没年:天保6.6.29 (1777―1835)
江戸後期の南画家・漢詩人。豊後竹田村の生まれ。名は孝憲。字(あざな)は君彝(くんい)。通称、行蔵。竹田は号。村瀬栲亭の門に学び、経学詩文の造詣深く、頼山陽らの文人墨客と交わる。画は元・明の南宗画を研究、また、谷文晁の門に遊んだりしつつ南画家として大成。作風は高雅滋潤の趣を示した。画の代表作に「亦復一楽帖」など。画論に「山中人饒舌」など。
【内容】
肉筆 紙本 着色 掛軸 天保三年晩年作
全体:200 x 48.8 ㎝ / 本紙:120.5 x 33.5 ㎝
【状態】
小シミ 折れ
※くれぐれも画像にて詳細をご確認頂き
ご納得された上でご入札頂きますよう宜しくお願い申し上げます
【発送について】
ゆうパックの【送料着払便】にて送付いたします
※元払発送による過剰な送料請求を避けるため、送料は着払でお願いしています 。
※落札価格が1点で50万円(税抜)を超える場合、御礼の気持も含めまして送料を≪日本全国完全無料≫とさせて頂きます (160サイズ以下での発送に限る)。
【絵画の出品に関するルール】
【真作】
本物であると断定できる作品
【模写】
・わずかでも真作ではないと疑いのある作品
・作者不明の作品
・所定の鑑定機関の無い作品
上記および「真作」と明記していないものは真贋について当方では不明=
最終判定保留の作品ですので全て模写といたします。
商品タイトルや商品説明に【真作】と明記のある作品につきまして
公定鑑定人、あるいは公定鑑定機関で、真作でないという判断がなされた場合は
下記に基づき落札代金を返済の上、返品に応じます
(但し、画廊等・美術商・第三者・自称目利きの方などの非正規鑑定は保証対象外と致します)
商品タイトルや商品説明に真作とあるものについて
鑑定を行う場合は、商品落札日から5日間の間に鑑定する旨をご連絡ください
5日間の間にご連絡の無い場合は保証対象外となりますので特にご注意ください
ご連絡頂いた商品については
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最長60日間までとさせて頂きます
その場合、所定鑑定人など責任ある専門鑑定機関の鑑定書か鑑定領収書をご提出下さい
※鑑定費用、交通費、諸経費(振込手数料・送料・返品時送料等など)につきましては
落札者様ご自身のご負担になりますのでご了承下さい
尚、ご返品頂いた作品の状態を確認致しました後に、落札代金をご返金させて頂きます
鑑定を希望される方は、ご自身でのお手続きをお願い致します。鑑定代行は致しません
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・状態説明に関しましては常々分かりやすい記載に努めていますが、
時代を経た骨董品・美術品という性格上、
言葉では説明しきれない時代の擦れや古格等も当然ございます
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